2020年4月28日 11:13読売新聞オンライン

 新型コロナウイルスのクラスター(感染集団)が発生した国立病院機構大分医療センター(大分市)の穴井秀明院長が27日、感染発覚後に初めて記者会見を開き、「喫緊に迫る医療崩壊を肌で感じた」と振り返った。院内感染を防ぐため、患者が入院する際にはPCR検査を実施すべきと訴えた。

 センターを巡っては3月19日、元入院患者の男性と入院中の妻(今月16日に死亡)の感染が判明。その後、医師や看護師、患者らが次々と陽性になった。転院先の看護師やセンターの看護師の友人らも含めセンター関連の感染者は計24人に上った。

 感染者が確認された大分市などの病院でも外来診療や入院の受け入れ中止が相次いだ。「地域医療を担う中核病院として戦力ダウンになり、心配と迷惑をかけ、心よりおわび申し上げる」と陳謝した。

 再発防止に向け、緊急入院する患者全員に対し、胸部のコンピューター断層撮影法(CT)の検査を実施。感染が疑われる所見があれば、PCR検査を受けてもらうという。患者と接する職員全員にアルコール消毒剤を持たせ、手指の消毒も徹底している。

 一方、厚生労働省クラスター対策班がタブレット端末や休憩室で感染が広がった可能性を指摘したことについては、「休憩室は分散して利用し、パソコンのキーボードも消毒していた。原因が特定されたとは考えていない」と語った。

 大分県外各地の医療機関でもクラスターが発生している。「院内感染をゼロにすることは現実的には難しい」と言及。患者が入院する際にPCR検査を行えば、無症状の感染者を受け入れるリスクを減らせるとした。

 センターは段階的に診療を再開し、今月20日からはほぼ通常体制に戻っている。「地域の信頼を取り戻し、今後もこれまで以上に自覚と責任を持って、中核病院としての役割を果たしたい」と強調した。

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