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2020年4月1日

引用元ニューズウィーク日本版REUTERS

<国内の感染を認めないばかりか、コロナウイルスという言葉の使用まで禁じた「世界一」の言論弾圧国家>

拡大を続ける新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を抑え込もうと奮闘する世界をよそに、このウイルスに関する情報を封じ込めることに躍起の指導者がいる。

中央アジア南西部に位置するトルクメニスタンの政府は、「コロナウイルス」という言葉を使用禁止にした。マスクをつけたり、公衆の面前でこのパンデミック(世界的大流行)について話をしたりした人は逮捕されていると、国境なき記者団が報告している。同国の国営メディアは、コロナウイルスという言葉を放送したり出版することを禁じられている。職場や病院、学校に配布される政府の保健に関するパンフレットからも、コロナウイルスの情報は削除されている。

「トルクメニスタン政府は、コロナウイルスに関する情報を根こそぎ排除するという過激な政策を採っている。独裁的と言われるがここまでとは」と、国境なき記者団の東欧および中央アジア部会の責任者を務めるジャンヌ・キャブリエは3月31日付の声明で述べた。「グルバングルィ・ベルディムハメドフ大統領によるこの情報統制は、(感染の)リスクが高いトルクメニスタン市民の命を危険にさらしている」

独立系のニュースサイトで、トルクメニスタン国内では閲覧を禁止されている「クロニクルズ・オブ・トルクメニスタン」によれば、同国政府は公式見解として、国内にコロナウイルスの感染例はないと主張している。ラジオ・フリー・ヨーロッパなど海外のトルクメン語版サービス「ラジオ・アザトルク」が、トルクメニスタンで複数の感染例を伝えているにも関わらずだ。

長い国境を接する隣国がイラン

ラジオ・フリー・ヨーロッパはまた3月第4週に、トルクメニスタンの首都アシガバットで食料品の価格が急騰していると伝えた。これは同国政府が首都への往来を制限したためで、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるための対策とみられる。トルクメニスタンと長大な国境を接する隣国のイランは、新型コロナウイルスの感染者および死者数で世界最悪の国の一つで、トルクメニスタンに感染が広がっていても不思議はない。

トルクメニスタン政府は、新型コロナウイルス感染症に関する情報を統制する一方で、感染を食い止める手も打っている。クロニクルズ・オブ・トルクメニスタンによると、すべてのスポーツイベント、スポーツクラブ、レストラン、カフェは3月24日以降、中止ないし閉鎖されているという。加えて、アフガニスタンとの国境に接する小さな町、セルヘタバットは封鎖され、3月25日以降、町への出入りが禁じられている。

中国、イラン、ブラジル、アメリカなど、他の国の指導者も、新型コロナウイルスの情報を隠そうとしたり、誤った情報を拡散して批判を受けているが、コロナウイルスという言葉そのものを使用禁止にするのは、極めてまれで前例がない。

「国際社会に対して、ベルディムハメドフ大統領による組織的な人権侵害を糾弾するよう求める」と、国境なき記者団のキャブリエは述べた。

トルクメニスタンは、国境なき記者団の2019年度の世界報道自由度ランキングで最下位だ。またヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)も、この中央アジアの国が「非常に抑圧的な国であり続けている」としている。


ジェイソン・レモン
(翻訳:ガリレオ)